ねこブログ

NHK「最後のレッスン・キューブラー・ロス」をみて

12/25NHK教育テレビ「ETV特集」を見た。
第76回 12月25日(土)
最後のレッスン ~キューブラー・ロス 死のまぎわの真実~


今年8月に亡くなった、キューブラー・ロスの最晩年の様子や、その子どもたちへのインタビューを通して、キューブラー・ロス自身がどのように死に向かい合っていったか、という内容だ。

キューブラー・ロスは、精神科医でその世界的に有名な著作『最後の瞬間』にまとめられたように、終末医療について、メンタルな面からの研究、治療に積極的に取り組んだ女性。
彼女は、引退後すぐに脳梗塞でたおれ、それからベッドでの生活を余儀なくされる。

まず彼女の死の3年前のビデオを放映された。
息子の家の近く(アリゾナ州)に独り暮らしをし、週に2日ヘルパーが来て身の周りの世話をする。
彼女の日課は、毎日ベッドからイスに、イスからベッドに移ることだけ。
歩き回ることももちろんできない。

インタビューアーが、彼女に今の生活についてどう思うか尋ねると、
「もうたくさんよ。こんな生活がいいと思うの?」といい、
彼女の著作における”愛”の話をすると「その話はうんざり、やめて」という。

明らかに、今の自分を愛するとか、死を受け入れるとか、たぶん彼女が、多くの死を迎える患者に話してきただろう、その著作で書きつづけてきたこととは、全く異なる発言なのだ。

それらのビデオを見て、ゲスト(柳田邦男、山崎章郎=ホスピス院長)やアナウンサー(黒田あゆみ)たちは、ロスをいろいろな立場から弁護(?)する。そして最後には、ロスが、立派な業績を終末医療において残してきておきながら、自分自身が死に直面して自分自身を受け入れるところまでに行かないことを、さらけ出している潔さをほめていた。
要するに、いつも自分自身に素直でいるということ、それを実行した、それ自身は、彼女の今までの言動と変わりはない、しかもそれは”普通”の人間と変わりない、ことを証明しているのだと。

ロスがそのような気持ちで最後を迎えていたことは(最後の最後はわからないが)、もちろん私は知らなかったが、むしろ彼女の、皮肉たっぷりのインタビューアーへの攻撃は、なぜか見ていてスカッとした。ここでは書けないようなひどい悪態もつく。頭は冷静よ、と言ったが、本当だ。
インタビューアーはもちろん、カウンセラーではないから、彼女に優しい言葉を、癒すような質問を投げかけるわけがない。それを知りながら果敢にインタビューに応じた彼女。

ロスの著作と実際の死への態度について、なぜかゲストもアナウンサーも、咀嚼ができていない感じがした。咀嚼しきるのに時間がかかるということは、むしろ好感が持てるのだが、なんとか時間内にまとめよう、アナウンサーは、なんかいい質問をしよう、手助けをしよう、というコメントが裏目にでることが度々あり、少し残念だった。

安易なまとめ方をするのなら、まとめないほうがいい。終末医療の問題は簡単な話ではない。
もう少しうまい構成の仕方があったんじゃないか、と思えてきた。
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by neco5959 | 2004-12-26 01:14 | News&Books
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白猫と一緒に暮らしていた(過去形です)、さそり座・B型。気になるNews、Books、HP探して、まったり&じっくり更新。twitterも@neco5959
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