『オレ様化する子どもたち』を読む
遅ればせながら『オレ様化する子どもたち』(諏訪哲二著・中公新書ラクレ)の読書感想。
『オレ様』という言葉自体は、某有名ブログ名称にも使われているが、「オレ様」=「子ども」 を結びつけたのは、端的に本の内容をよく言い表していると思う。 「負け犬」といい、「オニババ」といい、「オレ様」といい、よく考えたよな、と感心する。 筆者は長年、高校教師をやってきて、その現場から見た、子どもたちの様子を 表現している。それは、社会化されていない子どもたちが、なぜか「なんでもできる」= 「全能感」だけをもち、教師や親たちと対等に接しようとする、以前では考えられなかった 子どもの実態をレポートしている。 たとえば、授業中に話をしている生徒に静かにするよう、注意をしたら、 「しゃべっていねぇよ」と言い返される。本人は話しているという認識すらない。 あっても、しゃべっているうちに入っていない、ということなのかもしれない。 本では、文部科学省や、教育評論家たちをバサバサと切り捨てた上で、特効薬は特に 打ち出していないので(まあ、対策は難しいということだと思うが)、後味が少し悪い。 実際に、高校生の教育に携わっているわけではないのだが、大学に勤めている私としては 入学する学生たちの実態にもつながるわけで、とても気になる。 全能感は、どのような人間でも持つ錯覚であるが、同時に「それほどではない」自分を 認識している目を持つ者が、ティーンエージャー以降であれば、フツウであろう。 (本来的には) だが、それを指摘すれば、全人格を否定されたかのような、落ち込みまたは激怒をする。 全く「オレ様化」しているという認識がないから。 それが、社会人になっても続くヒトが結構いる。 ニートなどもその一人かもしれない。 みんながオレ様になる世界。寂しいというか、怖いというか。 コミュニケーションのゆくえは、いかに。
by neco5959
| 2005-06-23 13:11
| News&Books
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